THE TEAM 5つの法則を読みました。
印象としては「初めてチームのことを勉強する人が最初に読むと良い本」でした。 前提知識は必要なくすらすら読めますし、参考にされた本も書いてあるので次何を読めば良いかもわかります。 最初の入り口としては非常に良い本だと感じました。
対象としてはチームリーダーになったが何をすればよいのかわからない人はもちろん、新卒入社し初めてチームの中で働くという人にもおすすめな本だと思います。
- チームとは何か
- 良いチームとはどういうチームか
- 良いチームにするためにはどうすれば良いのか
- チームにおいて重要なことは何か
といった内容が書かれているので、これらのことに興味がある人はぜひ読んでみてください。
働く上で「チーム」というものは切っても切れない関係です。 リーダーであれメンバーであれ、チームのことを深く理解することで仕事を円滑に進めることができるのではないかなと、この本を読んで感じました。
また、チームはメンバーも含め全員で作っていくという意識はとても大切だと感じました。 チームはリーダーが作るものであった場合、合わないチームの場合移動するしかありません。 しかし、メンバーもチームを作ることに関われる場合、自分にとって良いチームに変えていくことができます。 全員にとって良いチームを作ることができるのかはわかりませんが、ここがやりづらいと思った時にじゃあ変えていこうと思えること、そしてどこを変えれば良いのかを知っていると、働く環境としてはとても働きやすいのではないかなと思います。
(念のためこの本は働くチームに限定せず、全てのチームについて述べられている本です。)
チームに対して何か影響を与えたいが何をすれば良いかわからない、という人はまず読んでみると良いと思います。
読書メモ
本書ではまずはじめにチーム作りにはメンバー全員の力が必要であることが述べられています。
チームづくりには特別な能力や経験は必要ありません。ただし、そこには確固たる法則が必要です。また「チームの法則」はリーダーのための法則ではありません。チームに関わるすべてのメンバーが理解し、実践すべき法則です。(位置No.131)
僕は学生の時からずっとチームスポーツをやっていますが、本当に強いチームは監督やキャプテンだけが頑張っているチームではなく、チーム全員がチームの方針を理解し努力しているチームです。 チームはみんなで作っていくものだと思うので、このメンバー全員が理解する必要があるという意見はすごく共感できました。
一方でメンバー全員がチームのことを考え理解し動くことができているチームはどれぐらいあるのだろうかとも感じました。
さて、肝心のチームの法則は5つの項目が挙げられていました。
「チームの法則」はAim(目標設定)、Boarding(人員選定)、Communication(意思疎通)、Decision(意思決定)、Engagement(共感創造)の5つの法則(頭文字を取るとABCDE)から構成されています。(位置No.140)
Aim・目標設定
はじめの目標設定については、カラーバス効果について触れられていました。
人間はある目的を意識すると、その目的に関連する情報をそれまで以上に認識するようになります。(位置No.280)
人間は無意識に得た情報を取捨選択しており、特に入ってくる情報が多い現代では非常に多くの情報を捨てて生きていると思います。 チームに限らず、個人としても、目的を持って生きることで得られる情報が変わってくると思うので、日々目的を持って生きていきたいなと感じました。
次に具体的な目標の立て方として「行動レベル」「成果レベル」「意義レベル」の3つのレベルの目標について説明されていました。
チームに行動目標しか設定されていなければ、時にメンバーは「作業」の奴隷になります。チームに成果目標しか設定されていなければ、時にメンバーは「数字」の奴隷になります。しかし、多くのチームが意義目標の重要性を十分に認識していません。 意義目標を設定することによって、メンバーは自らの生むべき成果や取るべき行動について、意思を持つことができます。「何をやるべきか?」だけでなく「何故やるべきか?」が分かれば、新たな「何をやるべきか?」が見つかるからです。(位置No.376)
作業の奴隷・数字の奴隷という言葉が強烈ですね。 特に数字の奴隷はなりやすいのかなと思っていて、数字を上げる先の目的を忘れると意味のない(数字上だけの)改善をやってしまいがちかなと思います。
自分たちのチームは何のために存在するのか。数字や作業を積み上げた先に何を実現したいのか。 チーム活動の意義が明確に言語化されてはじめて、メンバーたちは自主性や創造性を発揮し始めます。(位置No.453)
適切な目標・目的を作ることでそのチームのパワーは何倍にもなるということを学びました。
Boarding・人員選定
ここではチームを4種類にわけ、それぞれのチームの特性について考察されていました。
チームのタイプを分類する1つ目の軸は「環境の変化度合い」です。「環境の変化度合い」が大きい、小さいで分類します。 そして、2つ目の軸は「人材の連携度合い」です。「人材の連携度合い」が大きい、小さいで分類します。(位置No.500)
細かい説明は本を読んでみてくださいとすることにして、ここでとても印象に残った文章があります。
チームメンバーは誰かから与えられるものではなく、自ら探し、見つけ、連れてくるもの。そんな意識を持てているかどうかでチームづくりは大きく変わります。(位置No.720)
人が足りない。良い人が来ない。という話はよく聞きますが、自ら動くことが大切とありこの思いは大切にしたいなと感じました。
Communication・意思疎通
先ほどの4種類のチームそれぞれに合ったコミュニケーションの形について述べられたあと、どんなチームであれ良いコミュニケーションのためには相互理解が大切であることが述べられていました。
チームメンバーの「経験」「感覚」「志向」「能力」を「相互理解」していれば、前記のように同じコンテンツ(内容)でも全く違うコンテキスト(文脈)で伝えることができ、相手に伝わり、感情を動かすコミュニケーションができるのです。(位置No.977)
僕の所属するCREチームではマネージャーだけでなく、メンバー同士も含め全員と1on1をしています。 チームの性質上別々の業務をしていることが多いチームなので、あえて時間を取って話す機会を作っているのですが、この1on1を始めてからコミュニケーションが円滑に進むようになったと感じています。 言葉はあくまで表面的な情報でしかないので、その裏でどのようなことを感じ考えているのかまで理解するためには相互理解はとても大事だなと思います。
Dicision・意思決定
ここでは「独裁」「多数決」「合議」の3つの意思決定方法について述べられていましたのですが、僕には次の文章が心に残りました。
しかし、その上で大切なことは、「良い意思決定」「正しい意思決定」にとらわれすぎずに、「強い意思決定」「速い意思決定」を意思決定者が心がけることです。(位置No.1324)
判断と決断の違いも関連する話なのかなと思うのですが、特にこの「強い意思決定」は最近の自分にとても大事な考えだなと思いました。 正解を知っていれば苦労はしない訳で、正解がわからないから意思決定は難しいし時に勇気が必要なことなのかなと思います。
多くの意思決定には 51%のメリットと 49%のデメリットがあることを意思決定者だけでなく、チームメンバーが理解し、意思決定者の決断を自分たちの手で正解にする気概が重要です。(位置No.1356)
これって成功するためにはすごく大事なことだと思うのですがなかなか難しいですよね。 自分の意思決定を自分で正解にするという気持ちは割と自然な気持ちだと思うのですが、人の意思決定を正解にするという気持ち持ち続けることはとても難しいと思います。 そして、チーム全員がこの気持ちを持てているチームは絶対負けないだろうなと思います。
Engagement・共感想像
エンゲージメントを高めるための4Pとして次の4つが挙げられていました。
Philosophy(理念・方針)、Profession(活動・成長)、People(人材・風土)、Privilege(待遇・特権)の4つです。(位置No.1489)
チームの強み・魅力を知ることも大切ですが、自分がどの項目に重きを置いているのかを理解することも大切だと思います。 僕の場合Philosophyが一番だと思いました。
また、自分のチームの良さをアピールする時は自分が良いと思っていることを語ると思いますが、これには偏りがあるということも知っておく必要があります。 この4Pのようなフレームに当てはめてそれぞれの項目におけるチームの魅力は何なのかを理解し、満遍なく伝える、もしくは相手が大事にしている観点を伝えるということができるとより良いコミュニケーションが取れそうだなと感じました。